冬は腎の季節です

大気が熱を失い、一年の中で最も寒くなる季節です。熊が冬眠するがごとく自然界では万物が動きを止め、貯蔵することに重きを置きます。活発に動いていた夏とは対照的に、ゆっくり静かに過ごすことが多くなります。

腎は「生命力の素」となる精気を貯蔵する場所です。また腎は水の性質をもち、体内に潤いを貯め、老廃物を排出してくれる機能もあります。さらには寒さに負けないように各臓腑を温める働きも担っています。

生命の素、生きるために必要なエネルギーを貯める場所

腎の働き

腎は”生命の素”を貯蔵する場所です。生命の素とは、成長や発育、生殖といった人間の根本的な活動に必要な精(エネルギー)であり、人間は誰しも親から受け継いだものをもちつつ、飲食物の栄養や水分で日々補充しながら生命活動を維持しています。そんな精をつねに保管しておく場所が腎です。

また、全身の水分代謝も行います。脾が水(津液)を作って運び、肺がめぐらせ、最終的に体内で使われた水は腎に運ばれます。そこで利用できるものは再吸収し、不要なものは膀胱に運んで尿に排泄するという調整役を果たします。

腎には肺で吸い込んだ気を、丹田(おへその下の気が一番貯まり健康にも深くつながるところ)までしっかりと納める働きもあります。それにより五臓は正常に動けるようになります。

さらに腎は身体や臓腑を温める働きも持ち合わせています。

1986年長崎生まれ。はり師・きゅう師。健康寿命をのばすためのサポートがしたいという想いを抱いて2016年6月に鍼灸院を開業。治療をするかたわら、鍼灸専門学校での教員経験を活かしてお灸教室を開催中。